定期便やルート配送は、依頼内容を一度見直すだけでコスト構造を整理できることがあります。中小規模の事業者様から「毎月の配送費が増えてきた」「ドライバー不足で外注の見直しを迫られている」というご相談が増えており、宮崎を拠点に20年以上配送に関わってきた経験から、最初に見直したいポイントをまとめました。商品配送、店舗間配送、農産物の集荷、医薬品の定期配送など、業務向けの配送設計を検討中の方向けです。

料金の組み立てを理解する: 距離制と時間制

業務向け配送は、大きく 距離制時間制 の2つで料金が組まれています。どちらが向いているかは案件の特性で決まるため、混在運用を整理するだけでも改善余地があります。

区分料金の決まり方向いているケース
距離制出発地〜到着地の片道距離 + 戻り回送料遠距離・直行・荷下ろし時間が短い
時間制拘束時間(時間単価)× 時間 + 距離料金近距離・複数納品先・滞在時間が読めない

「複数納品先を回るのに距離制で組まれている」「直行なのに時間制で組まれている」といった初期設計のミスマッチは、現場では意外と頻出します。

まず見直したい5つのポイント

1. 配送頻度

「毎日配送」を「週3便+スポット」に変えるだけで、車両・人員の固定費が下がるケースがあります。納品先のリードタイム要件を改めて確認すると、頻度を落とせる余地が見つかることがあります。

2. 時間帯

朝の指定時間に集中している配送を、午後便にずらせるかを検討します。朝は道路混雑と納品集中で時間ロスが大きく、料金が高くなる時間帯です。納品先の倉庫運用が許容するなら、午後便のほうが時間制で見たときに安く組める可能性があります。

3. 積載率

1便あたりの積載量が車両キャパシティの50%未満なら、便数を減らして積載率を上げる方向で再設計します。逆に毎回パンパンならサイズアップを検討します。「便数を増やす方向」と「車両を大きくする方向」の損益分岐は配送先の数で決まります。

4. 集荷先と納品先の組み合わせ

複数の集荷先を回ってから納品に向かうルートが、実は「集荷先A→納品→集荷先B→納品」と分けたほうが時間が短いことがあります。地図上でルートを書き起こしてみると改善余地が見えてきます。

5. 温度帯混載

冷蔵と冷凍と常温を別便で回している場合、仕切り板付きの車両で混載できないかを検討します。納品先が同じエリアなら、3便を1便に統合できる可能性があります。

定期便とスポット便の役割分担

毎回急送(=スポット)にするとコストはどうしても高くなります。「平常時は定期便で計画運用、繁忙期だけスポット便で増便」という設計にすると、コストとリードタイムのバランスが取りやすくなります。

  • 定期便: 曜日・時間が固定。月額または運行回数で契約
  • スポット便: 1回限りの依頼。緊急便・イレギュラー対応
  • 夜間・早朝便: 市場・工場の営業時間に合わせた配送(事前相談)

業界別の見直しシナリオ

農産物・食品事業者

収穫期と閑散期で物量が大きく変動するため、定期便を「ベース便」、収穫期だけスポット便で「臨時増便」を組む運用が向きます。冷蔵帯(0〜10℃)が中心で、温度逸脱防止のために庫内温度のロガー記録を組み合わせるケースもあります。

飲食・小売・量販店向け配送

朝便集中型は時間ロスが大きく、午後便への分散ができれば改善します。納品先の検収時間(バックヤードに入れる時間帯)を改めて確認するのが第一歩です。

医薬品・研究資材

温度管理と時間指定が厳しい一方、物量は読めるため定期便の設計と相性が良いジャンルです。データロガーの記録、納品書の取扱い、SOPに沿った運用を最初に詰めると、長く使える運行設計になります。

EC・通販ショップ

発送拠点までのピックアップ便を整理することで、自社で集荷に行く時間を削減できます。定期便で発送拠点まで運び、繁忙期だけ増便する組み立てが多いパターンです。

相談時に共有いただきたい情報

  1. 配送物の種類・1便あたりの数量
  2. 配送頻度(曜日、時間帯)
  3. 集荷先と納品先(住所と建物条件)
  4. 希望時間と許容幅
  5. 温度帯(常温/冷蔵/冷凍)
  6. 現在の課題(コスト、リードタイム、積載率、人員)

これらが揃うと、距離制・時間制のどちらで組むのが合理的か、定期便とスポット便の比率をどう設計するかを現場目線でご提案できます。電話 0120-931-677(受付8:00〜20:00) またはメール [email protected] にてご相談ください。